【ものづくり補助金】建設業で活用できる?押さえておくべきポイントや採択事例を解説!
更新:2023/2/27
公開:2022/08/18
「ものづくり補助金は建設業でも使えるのか」と疑問に思っている経営者様へ。
結論を言えば、建設業も対象となります。
実際、毎年のように採択されており、新設備の導入により売上アップにつながった採択事例もあります。
そこで今回は、建設業がものづくり補助金を受けるために知っておきたいポイントや採択事例を解説します。
目次
ものづくり補助金は建設業でも活用可能
ものづくり補助金の対象は「新しい商品やサービスに取り組む中小企業」であり、建設業も含まれます。
最大5,000万円の補助を受けながら会社を強化できるため、ぜひ活用したい制度です。
補助対象となる経費は以下のとおりです。
- 機械装置・システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 海外旅費(※グローバル市場開拓枠のみ)
- 通訳・翻訳費(※グローバル市場開拓枠のうち②海外市場開拓(JAPANブランド類型)のみ)
- 広告宣伝・販売促進費(※グローバル市場開拓枠のうち②海外市場開拓(JAPANブランド類型)のみ)
例えば「最新設備の導入により生産性が改善され、短納期・高品質を実現」となれば、売上にも良い影響を与えるでしょう。
具体的な活用方法については成果事例が公表されていますので、チェックしてみてください。
参考:成果事例検索
ものづくり補助金を申請する上でのポイント
ものづくり補助金の採択率は50%〜60%のため、申請すれば通過するという訳ではありません。
審査項目を理解し、アピールする必要があります。
- 補助事業としての適格性
- 技術面
- 事業化面
- 政策面
- 炭素生産性向上の取組等の妥当性(※グリーン枠のみ)
- グローバル市場開拓の取組等の妥当性(※グローバル市場開拓枠のみ)
- 大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性(※大幅な賃上げに係る補助上限額引上の特
- 例のみ)
この他に、加点項目・減点項目も定められています。
ここでは建設業がものづくり補助金を申請する上でのポイントを紹介します。
ポイント1.革新性をアピール
ものづくり補助金では「革新性」が重要視されます。
新しい商品や生産方式を提案しなければいけません。
どのような事業に取り組めばよいか分からないときは「建設業の新分野展開ハンドブック」が参考になります。
「建設業の新分野展開ハンドブック」は国土交通省が公開しており、新しい事業を検討するためのヒントが詰まっています。
例えば新分野展開の課題として「建設業と関連性が低いテーマを選んでしまう」「責任・権限が曖昧」「補助金頼みの事業計画」の3つが挙げられています。
課題を解決するための視点などが書かれており、新事業を成功に導いてくれるでしょう。
「建設業の新分野展開ハンドブック」を参考に、革新的な商品・生産方式を考えてみましょう。
ポイント2.妥当性をアピール
ものづくり補助金を申請する際、3〜5年の事業計画書を提出します。
審査員は建設業に詳しい人ばかりではないため、事業計画に具体的な根拠を載せ、説得力を強めなければいけません。
例えば想定ユーザーの市場規模やリサーチからの売上予測や、他社との違い(優位性)を数字を使って説明します。
図や表を載せて、分かりやすくすることも重要です。
建設業に精通していない人にも「補助金を出せば、きっと成功する」と思ってもらえれば、採択率が上がります。
ただし、初めてつくった事業計画は収支計画や資金繰りといった金銭面が明確にならないことが多く、そのままでは審査員に納得してもらえないケースがほとんどです。
事業計画がある程度まとまったら専門家に見せてみましょう。
税理士・中小企業診断士・商工会議所などに相談すると、妥当性を強化するためのアドバイスがもらえます。
ポイント3.政策合致をアピール
ものづくり補助金の目的は「地域の経済成長」であり、最終的に国全体の経済力を引き上げることを目指しています。
公募要領でも審査項目に「政策面」が記載されており、政策を理解しているかどうかも厳しくチェックされることが分かります。
- 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の経済成長に貢献できるか
- ニッチ分野において差別化を行い、グローバル市場でも活躍できる可能性があるか
- 複数の事業者と連携し、生産性向上が期待できるか
- デジタル技術や低酸素技術など新しい技術を活用し、国のイノベーションを牽引できるか
- 事業環境の変化に対応する投資内容であるか
※詳しくは公募要領をご確認ください。
ものづくり補助金の目的を理解し、目的達成に貢献する建設業は採択されやすくなります。
参考:公募要領について|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト
ものづくり補助金の採択事例(建設業)
ものづくり補助金の採択事例は、ものづくり補助金総合サイトの「成果事例検索」で確認できます。
参考:成果事例検索
建設業の事例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
事例1:株式会社國健鉄筋工業
株式会社國健鉄筋工業は鉄筋工事業を主としています。
大規模な建設工事案件にて、従来のシステムと異なるシステムを利用するために入力ミスなどが発生してしまうことが課題でした。
工事に悪影響が出てしまうため早急な対応が必要でしたが、発注元・連携先と同一のシステムを導入することで効率改善。
データ形式が統一されたため修正作業が減り、ミスが減った上に人件費も削減されました。
大規模案件にも対応できる状態となり、売上拡大につながりました。
事例2:有限会社吉岡鉄筋工業
有限会社吉岡鉄筋工業は高強度鉄筋の加工にも対応していますが、作業スピードが早くなく、受注件数が限られていました。
取引先もやむなく県外業者に受注するという状況が続いていました。
そこで、ものづくり補助金を活用し、高強度鉄筋の曲げ加工に対応した鉄筋自動曲装置を導入します。
生産力は1.6倍に向上、さらに操作が簡単なため未経験者でも対応可能になりました。
若手技能者の育成に注力できるようになった点も大きなメリットです。
設備導入により、生産性の改善・人手不足の解消にもつながった事例です。
事例3:藤丸建設有限会社
藤丸建設有限会社は、体に優しい木造優良住宅を手掛ける会社です。
丁寧な家づくりをテーマとしていますが、顧客満足度向上のために現場作業の短縮化も必要と考えていました。
そこで、ものづくり補助金を利用し、四面自動鉋盤を導入します。
四面自動鉋盤では、材木の上下左右すべてを1回の作業で切削可能です。
これまで使っていた二面自動鉋盤では3回の加工作業が必要だったため、作業効率が大幅に改善されました。
他にも加工方法が選択でき、職人の負担軽減につながりました。
まとめ
今回は、建設業がものづくり補助金を受けるために知っておきたいポイントや採択事例を解説しました。
申請が通れば、最大5,000万円の補助を受けながら、新製品の開発・生産性の向上に取り組めます。
採択率を上げるためには、以下のポイントを押さえて事業計画書を作成しましょう。
- ポイント1.革新性をアピール
- ポイント2.妥当性をアピール
- ポイント3.政策合致をアピール
どのような事業計画を立てればよいか迷ったときは、建設業の採択事例を確認してみましょう。
同じ業種だからこそ、新事業のヒントが見つかるはずです。
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