【事業再構築補助金】新分野展開で実際に採択された事例・活用例を紹介
更新:2023/05/07
公開:2022/02/11
事業再構築補助金の新分野展開は、主たる業種を変更することなく新たな製品を新たな市場に販売する中小企業を支援する制度です。
中小企業経営者の皆さんは「具体的にどのような事業計画が採択されたのだろうか」「自社は該当するのだろうか」と気になっているのではないでしょうか。
そこで今回は事業再構築補助金の新分野展開について実際に採択された事例・活用例を紹介します。
事業再構築補助金の新分野展開とは
事業再構築補助金で申請する補助対象事業は、事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であることが必要です。このうち、「新分野展開」は、主たる事業を変更することなく、新たな製品等を製造等し、新たな市場に進出する事業のことを指します。
事業再構築補助金の新分野展開の要件
新分野展開に該当するためには、下記の3つを満たしていることを事業計画において示す必要があります。
①製品等の新規性要件:「過去に製造した実績がないこと」、「定量的に性能又は効能が異なること」
②市場の新規性要件:既存事業と新規事業の顧客層が異なること
③新事業売上高10%等要件:新たな製品等の属する事業(又は業種)が売上高構成比の最も高い事業(又は業種)となること
事業再構築補助金の新分野展開の採択事例
実際の採択事例を紹介します。
十勝シティデザイン株式会社(ワーケーション施設の開業)
十勝シティデザイン株式会社は北海道・帯広駅前のホテルを運営する会社です。
コロナの影響で観光・ビジネスによる訪問者が減り、ホテル売上・飲食売上ともに減少しました。
そこでノウハウを活かし、旅行客ではなくワーケーション滞在に向けた事業を展開。
- オンライン会議用ブースを設け、テレワーク対応
- 定額利用型(サブスクリプション型)で法人契約を目指す
- ツアーやコンシェルジュなど付加価値を高め、長期滞在を促す
既存事業の強みを活かしながら弱みは軽減し、さらに地域の雇用を創出するとして、事業再構築補助金に採択されました。
株式会社電材エンジニアリング(風力発電所メンテナンス事業へ参入)
株式会社電材エンジニアリングは改修工事のクレーン作業や重量品輸送業を提供する会社です。
コロナの影響で主要顧客が製鉄所での生産を停止、工事受注が激減しました。
そこで風力発電所の建設・運用管理およびメンテナンス事業に新規参入。
2030年までに洋上風力発電の国内市場規模が9,200億円になるという予想から、将来性が期待できるためです。
コントロールセンターを建設し、技術者の養成トレーニングも行うとして、事業再構築補助金に採択されました。
株式会社中心屋(高齢者配食事業を開始)
株式会社中心屋は居酒屋などの飲食サービスを提供する会社です。
コロナの影響で2021年1月〜3月の売上高は前年比50%以下に。
3年前より病院や介護施設内の厨房運営を行ってきましたが、高齢者の自宅へ弁当を宅配する事業を計画。
社会福祉法人や入居型介護施設など大口契約へも取り組み、地域(和歌山市)No.1を目指します。
新しい顧客層への営業ともなり、既存飲食店への来店も期待できるとして、事業再構築補助金に採択されました。
まとめ
今回は事業再構築補助金の新分野展開について事例・活用例を紹介しました。
- 十勝シティデザイン株式会社(ワーケーション施設の開業)
- 株式会社電材エンジニアリング(風力発電所メンテナンス事業へ参入)
- 株式会社中心屋(高齢者配食事業を開始)
具体的な事例を知ったことで、「自社ならどう計画するか」「自社に当てはまるか」など理解が深まったのではないでしょうか。
従来の事業とは異なる事業を始めることで、新たな顧客確保につながります。
コロナの影響で売上が低迷している中小企業経営者の皆さん、事業再構築補助金の新分野展開を活用し、この苦しい時代を乗り越えてみませんか。
アアルコンサルティングオフィス(アアル株式会社)は経営革新支援機関として、中小企業経営者の皆様に役立つ情報を発信しています。中小企業向けの補助金制度なども解説しておりますので、ぜひご覧ください。
参考:事業再構築補助金
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