経済産業省発表のデジタルガバナンス・コードについて
経済産業省より、2020年11月9日に「デジタルガバナンス・コード」が発表されました。
経済産業省 Society5.0時代のデジタル・ガバナンス検討会 デジタルガバナンス・コード
これは、ITシステムとビジネスを一体に捉えて、新しい価値創造のための戦略を描く為に、経営者に求められる企業価値向上に向け実践すべき事柄を取りまとめたものです。
ここでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を、日本の規模を問わずすべての企業・個人事業主やそこに携わる多くの人々や機関を対象としたものとなっています。
デジタルガバナンス・コードはどんなもの?
経済産業省発表の資料では、「デジタルガバナンス・コードの柱立て」として、
1.ビジョン・ビジネスモデル
2.戦略
2-1.組織づくり・人材・企業文化に関する方策
2-2.ITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策
3.成果と重要な成果指標
4.ガバナンスシステム
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/dgs5/pdf/20201109_01.pdf
を、
(1)基本的事項
(2)望ましい方向性
(3)取組例
の切り口で説明しています。
下記に、作成した一覧表を掲載します。
特に、(1)基本的事項は、
①柱となる考え方
②認定基準
の2つの項目で整理され、
②認定基準については、
それぞれの組織が決定した基準の公表、公開文書への記載等の情報発信を求めています。
この意味合いは、ステークホルダーとともに、「価値創造のストーリー」を共有し内外の協力を集約しながら力強い成長戦略を目指す為と考えられます。
また、これらの基準の決定は取締役会設置会社では、その承認を求めることで、取締役会の正常な運営を促しています。
具体的な課題
内部の少数の意思決定者だけではなく、外部のステークホルダーへの説明責任を果たしながら協力を得るためには、ITシステムを駆使し、経営の現状の情報をデータでリアルタイムかつ効率的に得ながら、意思決定を繰り返す仕組みを作らないといけません。
このような仕組みがあって、はじめて意思決定の結果が良いのか悪いのかを的確にすばやく判断することができ、経営の試行錯誤のサイクルを早めることができます。
GAFAのような世界的な大企業では、戦略的意思決定だけではなく、オペレーションの施策の結果をモニタリングするさまざまな仕組みをもっています。
例えば、Googleでは検索エンジンを使うユーザーの動向を、検索エンジン上で詳細にモニタリングすることができ、その技術やサービスをユーザーへ無料で提供しています。
Amazonでは、表示の配列やデザインを繰り返し修正することで、販売の最適化を行い今の現在の形が作られました。また、ユーザーレビューにより、実物を見ずに商品を購入するユーザーの心理的障壁を下げています。情報を顧客から収集し、次の顧客へ自然にフィードバックする仕組みは、現在のAmazon成功要因の1つであったと分析されています。
戦略だけでなく、現場の施策レベルでこのような実施⇒結果の検証をすばやく、コストをかけずに行うことができ、試行錯誤のサイクルを早め、次のサービス・商品のバージョンアップを効果的に行うことが出来ます。
また、トヨタは有名なカイゼンを、生産現場に導入しましたが、テスラでは販売後の自動車のソフトウェアから、フィードバックを得て、バージョンアップを繰り返しながら商品を販売後でも改善できる仕組みを構築しています。これを、新しい商品の開発に活かしています。
まとめ
DXを推進し、デジタルガバナンス・コードを遵守していくには、基本的な企業内部の情報のデジタル化やリアルタイムのモニタリングの仕組みを導入しながら、外部との情報連携も平行して行い、戦略的意思決定を行っていくことを目指します。
自社だけでなく、より広い情報をデジタルで集約しながら、意思決定を行うことのできる仕組みや組織文化を醸成することで、外部エコシステムの破壊的な変化にも機敏に対応でき、新しい機会を迅速に反応し競争優位を確立することができます。
アアル株式会社は認定支援機関として、中小企業経営者の皆様に役立つ情報を発信しています。
「デジタルガバナンス・コード」「DX」「経営ダッシュボード」についてご興味がございましたら、ぜひご相談ください。
アアル株式会社です。認定経営革新等支援機関、中小M&A支援機関(事業承継・引き継ぎ支援)として情報発信しています。
この記事へのコメントはありません。