【ものづくり補助金】給与支給総額とは?算出方法について解説!
ものづくり補助金の基本要件のひとつに「給与支給総額を年率1.5%以上あげる」があります。
この目標を達成できない場合は、原則として補助金の一部または全額を返金しなければいけません。
- 給与支給総額には何が含まれるのか?
- 人件費とは違うのか?
- どのように計算すればいいのか?
このように不安に思う方もいるでしょう。
そこで今回はものづくり補助金における給与支給総額について解説しますので、正しく理解しましょう。
目次
給与支給総額とは
ものづくり補助金総合サイトでは「給与支給総額」とは以下のように定義されています。
Q9.給与支給総額にはどんな経費が含まれますか?
A9.給与支給総額とは、全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等であり、給料、賃 金、賞与及び役員報酬等は含み、福利厚生費、法定福利費や退職金は除きます。
ものづくり補助金総合サイト よくあるご質問
給与支給総額と人件費の違い
給与支給総額と似ている言葉として「人件費」があります。
給与支給総額の意味を正しく理解していないと人件費を算出してしまい、最終的にものづくり補助金の要件を満たせないことも…。
ここでは給与支給総額と人件費の違いを紹介します。
給与支給総額に含まれるもの
給与支給総額とは、簡単に言えば「従業員に支払う給料」を指します。
具体的には以下のような項目です。
- 基本給、賃金
- 賞与
- 役員報酬
- 通勤手当
- 休日出勤手当
- 残業手当
- 深夜手当
- 技能手当
- 家族(扶養)手当
- 住居手当
- 地域手当
- 休業手当
- 役職手当
- 職務手当
- 食事手当
- 皆勤手当
給与支給総額に含まれないもの
人件費とは「給与支給総額に加えて福利厚生費・退職金などを合わせた経費」を指します。
人件費に含まれて、給与支給総額に含まれないものは以下のような項目です。
- 退職金、退職手当
- 福利厚生費
- 法定福利費
- 派遣労働者や短時間労働者の給与を外注費で処理した場合
給与支給総額の年率1.5%以上増加が条件
ものづくり補助金の要件として、3〜5年で以下を満たす事業計画を策定する必要があります。
- 給与支給総額 +1.5%以上 / 年
- 付加価値額 +3%以上 / 年
- 事業場内最低賃金≧地域別最低賃金 +30円
もし補助事業が完了した際、給与支給総額の年率平均1.5%以上増加を達成できていない場合は、導入した設備等の簿価または時価のいずれか低い金額のうち補助金額に対応する分(残存簿価等×補助金額/実際の購入金額)の返還が求められます。
※天災や付加価値額の増加が思わしくない場合など特別な理由がある場合は補助金一部返還は求められません。
※回復型賃上げ・雇用拡大枠の場合、補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点での給与支給総額または事業場内最低賃金の増加目標いずれかひとつでも達成できていない場合は補助金の全額返還を求められます。
まずは給与支給総額を正しく算出することが重要
万が一、給与支給総額の増加が達成できず、ものづくり補助金の返還を求められた場合、高額な出費となり経営を圧迫することは簡単に予想できます。
まずは現在の給与支給総額を正しく算出し、その上で現実的な事業計画を立てることが重要です。
申請時には給与支給総額を増加できるとする根拠も提出しますので、税理士や金融機関など経営革新支援機関に相談したほうがよいでしょう。
給与支給総額の算出方法
では具体的に給与支給総額を算出する方法をみていきましょう。
法人の場合
給与支給総額を算出する場合、損益計算書の「製造原価報告書」「販売管理費明細」から数字を拾います。
給与支給総額 = 従業員や役員に支払う給料 + 各種手当
決算の期間が1年に満たないケースでは、12ヶ月相当の給与支給総額を計算します。
例えば決算の期間が6ヶ月なら給与支給総額を2倍とし、12ヶ月相当の給与支給総額を記載します。
参考:公募要領について|ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト
個人事業主の場合
従業員を雇っていない個人事業主は、給与支給総額を算出する方法が法人と異なり、青色申告決算書から計算します。
給与支給総額 = 給料賃金 + 専従者給与 + その他給与所得科目 + 青色申告特別控除前の所得金額
まとめ
今回はものづくり補助金における給与支給総額について解説しました。
給与支給総額とは従業員や役員に支払った給料などを指し、退職金や福利厚生費は含まれません。
ものづくり補助金の要件のひとつとして、「給与支給総額の年率平均1.5%以上増加」があります。
給与支給総額を正しく理解していないと要件を満たせない可能性も考えられます。
万が一、給与支給総額の増加目標を達成できない場合は補助金の一部または全額を返還することとなります。
このようなトラブルを回避するために、給与支給総額を算出する際は税理士や金融機関など経営革新支援機関への相談をおすすめします。
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