
【事業承継・M&A】成功させるために知っておきたいM&Aの最適なタイミングとは?
M&A検討中に悩むのが、実施のタイミングです。
残念ながら、タイミングを見誤ると売却金額が安くなったり、買い手が見つからなくなったりします。
「いつから準備を始めればいいのか?」「いつM&A専門家に相談すべきか?」と困っているなら、答えは「できるだけ早く」です。
そこで今回は成功させるために知っておきたいM&Aの最適なタイミングを紹介します。
M&Aのタイミングを間違えるとどうなる?
M&Aを行うタイミングを間違えてしまうと、このような失敗を引き起こします。
- 安い価格で売ってしまう
- 買い手が見つからない
- M&A進行中に亡くなる
事業承継やM&Aは、売り手にとって、人生をかけて育ててきた会社を手放すことです。
M&Aは一度契約すればやり直しはできませんから、まずはよくある失敗について確認しておきましょう。
安い価格で売ってしまう
M&Aは売り手の希望価格で買ってもらえるとは限りません。
これまで一生懸命成長させてきた会社ですから、どうしても過大評価してしまいますよね。
しかし、買い手としては「できるだけ安く買いたい」と考えています。
商圏拡大・シナジー効果を期待して投資しますが、買収金額が高ければ回収できないリスクが高まるためです。
特に業績が落ち始めた会社は企業価値が下がるため、安い金額で契約しようと交渉してくるでしょう。
売り手は心の中で納得していなくても、他に買い手候補がいなければ「安い価格でも、売れないよりは…」と契約に踏み切るでしょう。
予想していたより安価で売れば、老後資金や新規事業の資金が心もとなくなります。
買い手が見つからない
収益力が落ち始めてからは買い手がつきにくくなります。
特に、直近の営業利益が赤字で「改善の見込みがない」「返済のために借入を繰り返している」ケースは要注意です。
M&Aは売り手・買い手、双方が「この会社なら、売りたい / 買いたい」と思わなければ成立しません。
あえて赤字の会社を買い取ろうとする会社はなかなか見つかりません。
たとえM&Aの話が持ち上がっても、デューデリジェンスで簿外負債などが見つかれば破談になるかもしれません。
買い手が見つからなければ廃業に追い込まれ、コストがかかる上に従業員にも迷惑がかかってしまうでしょう。
M&A進行中に亡くなる
「70歳になったらM&Aを考えよう」など、年齢でM&Aのタイミングを決めていませんか?
そのような考えはあまりおすすめできません。
年齢が高くなるほど急逝・急病のリスクが高まります。
事業承継・M&Aは成約までは平均1年、長いと5年ほどかかります。
買い手探しから始まり、事業分析・金額交渉・ノウハウの引き継ぎなど、多くのプロセスを踏む必要があるためです。
その間に体調が悪くなったり亡くなったりすれば、自分で判断できません。
残された親族間で遺産分割の話し合いが行われ、M&A自体が破断となる可能性も考えられます。
元気なうちに事業承継・M&Aの準備を進めて、トラブルを回避しましょう。
M&Aの最適なタイミング
M&Aにより高額売却できれば、金銭的なメリットが大きくなります。
引退後の生活資金や借入金の返済などにあてれば、楽しいリタイア生活が待っています。
M&Aを成功させるために知っておきたい、おすすめのタイミングはこちらです。
- 会社の業績が良いとき
- 成長率が伸びてきたとき
- 体力が衰えてきたとき
- 好景気のとき
- 業界再編がおこったとき
ここぞというときに動き出せるよう、早め早めに準備をしておくことが重要です。
会社の業績が良いとき
自社の業績が良いときは「売ってしまうのはもったいない」と思うかもしれません。
しかし、好業績は高値で売却できる可能性が高いタイミングです。
買い手から見れば「現時点で利益が出ていれば今後も黒字になる」と予想でき、M&Aの後押しになります。
黒字のうちに事業承継・M&Aの準備を進めるのが、成功へのポイントです。
M&Aを検討し始めたら、早めにM&Aの知識を持つ仲介業者や税理士・公認会計士などへの相談をおすすめします。
成長率が伸びてきたとき
「赤字だから」といってM&A相手が見つからない…とは限りません。
独自の強みをアピールできれば、成長性を評価されることもあります。
現段階で赤字だとしても、将来的に大きな利益を見込めるなら買い手が見つかりやすくなるのです。
例えば新規事業を始めて数年のうちはマーケティング・サービス機能強化を優先して、利益がついてこないなどのケースが考えられます。
直近3〜5年の売上成長率が高ければ利益拡大・株価上昇も期待されますので、売上成長率をアピールしてみましょう。
体力が衰えてきたとき
体力の衰えを感じてきたら、できるだけ早く事業承継・M&Aの準備に取り掛かりましょう。
事業承継を頼めそうな親族・従業員がいなければ、第三者に事業を譲渡・売却(M&A)する必要が出てきます。
M&Aでは、買い手の選定・従業員の処遇や取引先との調整など判断しなければいけないことが山ほどあります。
病気が発覚したり、現場に出られなくなったりしては正しい判断ができず、M&Aを成功させるのは難しいでしょう。
また、経営者の経営意欲が下がると従業員のモチベーションにも影響が出ます。
- 営業成績が落ちる
- 取引先との契約が取りやめになる
- 優秀な人材が離職する
このような状況になると企業の価値は下がり、M&Aの売却金額も低くなります。
健康状態を意識し始めたタイミング、できれば40代〜50代から情報収集を始めましょう。
好景気のとき
国内が好景気だと、買い手企業も資金に余裕が出てきます。
「今のうちに規模を拡大しよう」と考え、M&Aが活発に行われるのです。
オークション方式では、複数の候補で買収価格を競い合い、思った以上の金額になることもあります。
ただし先行きは読めないため「もう少し景気が良くなってから」と待っていたら停滞してしまった…という可能性も考えられます。
常に国内の景気動向をチェックし、M&Aのタイミングを見極めましょう。
業界再編がおこったとき
「業界再編」とは企業の合併などで業界内の勢力図が変わったタイミングです。
競合他社を一気に逆転するチャンスでもあり、「優れたノウハウを持っている中小企業を買収したい」と考える優良企業もあらわれます。
M&Aによって優良企業のグループに入れば、会社のポジションもガラリと変わります。
販路拡大・生産性の面で有利となり、今後の競争に勝ち残れるようになるでしょう。
業界再編は技術革新・異業種参入・規制改革などによって引き起こされるため、業界内の動きには注意しておきましょう。
まとめ
今回は成功させるために知っておきたいM&Aの最適なタイミングを紹介しました。
M&Aのタイミングを誤ると、安く買い叩かれたり、そもそも買い手が見つからなかったりします。
おすすめのタイミングは以下の通りです。
- 会社の業績が良いとき
- 成長率が伸びてきたとき
- 体力が衰えてきたとき
- 好景気のとき
- 業界再編がおこったとき
M&Aは会社の状況・業界の流れに影響されるため、常に最新情報を集め、少しでも有利なタイミングを見極めましょう。
事業承継・M&Aを検討しているなら、まずはM&Aの知識を持つ専門家に相談してみるのがおすすめです。
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