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事業承継に計画は必要か?事業承継計画書の書き方も解説!

【事業承継・M&A】事業承継に計画は必要か?事業承継計画書の書き方も解説!

事業承継計画の作成、面倒だからと先送りにしていませんか?

もし事業承継計画を書かないまま引き継ぎを進めてしまうと、事業が不安定になり、従業員の雇用も守れなくなるかもしれません。

そこで今回は事業承継計画書の重要性と、具体的な書き方について解説していきます。

なぜ事業承継計画書が必要なのか?

「事業承継計画を立てなくても、引き継ぎはできるのではないか?」と思う気持ちもわかります。

しかし、事業承継の手続きは複雑で、準備をしないまま後継者に任せると失敗する可能性が高くなってしまいます。

事業承継を成功に導くために、事業承継計画を作成すべき理由がこちら。

  • 理由1.後継者と認識をすり合わせる
  • 理由2.外部からの理解・協力を得る
  • 理由3.事業承継税制が使えるようになる

それぞれ確認しましょう。

理由1.後継者と認識をすり合わせる

事業承継は会社そして従業員の今後に関わります。

現経営者と後継者の経営理念が大きく異なれば、従業員が離職したり、顧客が離れたりしてしまうでしょう。

例えば現経営者は事業を存続したいのに後継者が会社売却を希望すれば、取引先も従業員も混乱してしまいます。

会社を残すため、そして社員の雇用を守るために引き継いだのに、これでは意味がありません。

現経営者と後継者が相談しながら事業承継計画を作成することで、認識違いによるトラブルを回避できるでしょう。

理由2.外部からの理解・協力を得る

後継者に引き継いでからも事業を継続させるためには、取引先や金融機関の理解も必要です。

経営者が変わったことで信頼関係が崩れて取引停止になった場合は、売上に響いて会社の存続も危うくなってしまいます。

今後も協力関係でいるために、事業承継計画が完成したタイミングで共有すると良いでしょう。

また、親族や役員・社員に後継者候補が見つからない場合は外部からの招聘も選択肢のひとつです。

事業承継は自社内・親族だけで完結するよりも、まわりの理解・協力を得ることでより成功へと近づけると言えるでしょう。

理由3.事業承継税制が使えるようになる

親族内承継では、相続や生前贈与という形が取られるケースが多いです。

しかし、相続税や贈与税では莫大な税金がかかり、後継者の負担が大きくなってしまいます。

相続税の税率は以下の通りで、相続金額が4,000万円のケースでは税率は15%となります。

相続金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

参考:No.4155 相続税の税率|国税庁

事業承継における負担軽減を目的にした制度が「事業承継税制」です。

事業承継税制では一定の条件を満たすと相続税・贈与税が0円(免除)になります。

条件のひとつが、事業承継計画の提出です。

相続や生前贈与を検討しているなら、事業承継計画をまとめておくのがおすすめです。

事業承継計画書の書き方

事業承継計画の書き方には明確なルールはありません。

だからこそ「何を書けばよいか分からない」と手が止まってしまいがちです。

事業承継計画書にまとめる内容を、中小企業庁の「事業承継ガイドライン 20問20答」に沿って説明していきます。

  1. 下準備:現状を把握する
  2. 事業承継の方法・時期を決定する
  3. 中長期目標を設定する
  4. 具体的な計画を立てる

事業承継計画書をまとめ、円滑な引き継ぎを目指しましょう。

下準備:現状を把握する

まずは会社を取り巻く状況を把握しましょう。

  • 経営者の氏名・年齢
  • 後継者候補の氏名・年齢・続柄
  • 資産
  • 経営者個人の保有株式・個人保証
  • 売上高、売上見込
  • 負債
  • 業界での競争力、ブランディング
  • 会社の歴史、沿革
  • 従業員数、年齢構成
  • 事業承継時の課題

現在の状況を正しく理解していなければ、事業承継計画書は”机上の空論”になってしまいます。

特に経営資源や将来の見込みは事業承継に大きな影響を及ぼします。

事業承継計画書を作るタイミングは決算直後がおすすめです。

株式の評価を踏まえて現実的な事業承継計画書にするため、税理士などの専門家のサポートを活用しましょう。

事業承継の方法・時期を決定する

中小企業では子や妻に引き継ぐ「親族内承継」が一般的ですが、後継者が見つからない場合も考えられます。

その場合は従業員に引き継ぐ方法(親族外承継)や第三者に引き継ぐ方法(M&A)が選べますが、それぞれメリット・デメリットがあります。

例えばM&Aでは「売却益を受け取れる」「個人保証から解放される可能性がある」という点がメリットです。

一方で、選定・交渉に時間がかかり、取引先や顧客から反発を買うリスクが高い点がデメリットと言えます。

自社は親族内承継・親族外承継・M&Aのどれが向いているのか、比較検討する必要があるでしょう。

事業承継の方法が決まったら後継者候補を何人かピックアップし、リーダーシップや行動力など次の経営者にふさわしいかをチェックしましょう。

後継者に引き継ぐ意思を確認してから事業承継のタイミングを決め、事業承継計画に記入します。

中長期目標を設定する

現経営者と後継者で、会社の中長期目標を設定します。

5年後・10年後のビジョンや数値目標を明確にし、同時に現経営者の理念も引き継いでもらいます。

これまで自分がどのように取り組んできたかを書面に残しましょう。

  • 経営理念
  • ビジョン
  • 商品を作ろうと思った理由 等

今から経営理念を考える場合は「自社はなんのために存在するのか?」「世の中にどう役立ちたいのか?」「どんな人から支持を得たいか?」などを自問自答してみましょう。

経営理念は社員全員で同じ目的に向かうための指針です。

社長が交代した後の大幅な方向転換を防げますし、後継者のやりがいにもつながります。

具体的な計画を立てる

事業承継には社内外で関わる人が多く複雑です。

さらに、事業承継までに10年程度の時間がかかると言われているため、やるべきことを忘れてしまう可能性も考えられます。

事業承継を円滑に進めるために「誰がいつまでに何をするか」を10年間の年表に書き込んでいきましょう。

ゼロから書くのは難しいと思いますので、ひな形を利用しましょう。

中小企業庁のサイトから記入例・記入用PDFファイルがダウンロードできます。

参考:中小企業庁:事業承継ガイドライン 20問20答 問18

書くべきことは以下のような項目です。

  • 関係者の理解・説明(社内・取引先企業・金融機関など)
  • 後継者教育
  • 株式・財産の分配
  • 基本方針
  • 具体的な対策(会社法の各種制度の活用)
  • その他(健康問題や将来性の不安解消)

アクションプランをまとめて、事業承継の流れを確認しておきましょう。

まとめ

今回は事業承継計画書の重要性と、具体的な書き方について解説しました。

事業承継は複雑なため手間・時間がかかります。

計画を立てて後継者と共有していなければ、トラブルになりかねません。

そこで中小企業庁の「事業承継ガイドライン 20問20答」に沿って事業承継計画書をまとめておくのをおすすめします。

  1. 下準備:現状を把握する
  2. 事業承継の方法・時期を決定する
  3. 中長期目標を設定する
  4. 具体的な計画を立てる

法的な手続きも発生するため、弁護士などの専門家のサポートを受けつつ進めていきましょう。

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