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【事業承継・M&A】M&Aの注意点やリスクを徹底解説!

【事業承継・M&A】M&Aの注意点やリスクを徹底解説!

M&Aは煩雑な手続きな上に時間を要するため、売り手も買い手も大きなリスクを背負うことになります。

M&Aを成功させるにはあらかじめリスクを把握し、状況に応じて対処していくことがポイントです。

そこで今回は売り手・買い手それぞれの立場から、M&Aの注意点やリスクを徹底解説していきます。

M&Aのリスク

M&Aのリスクは主に以下の3つに分けられます。

  • 財務リスク
  • 経営リスク
  • 人材リスク

まずは売り手・買い手、両方のリスクを確認していきましょう。

売り手のリスク

買い手が見つからないリスク

M&Aにおける売り手のリスク、ひとつめは「売却先が見つからない」です。

経営を退きたくても、引き継いでくれる相手が見つからなければ引退できません。

候補者探しが長引けばその分費用もかかってしまい、経営を圧迫するでしょう。

買い手が見つからず、仕方なく廃業を選ぶ…というケースも珍しくありません。

そうなれば売却利益を得ることはできず、廃業にコストがかかり、老後資金が心もとないと感じる方もいるでしょう。

破断になるリスク

買い手はリターンを計算して、買収金額を決めます。

売り手が簿外債務や保証債務・コンプライアンス違反など都合の悪いことを隠していると、のちのち大きな損失を生んでしまいます。

実際に契約を行う前に「デューデリジェンス」と呼ばれる調査をしますが、この段階で発覚すれば破談となるでしょう。

また、デューデリジェンスに非協力的であれば買い手が不信感を抱くため、契約に至らない可能性も考えられます。

万が一M&A成立後に簿外債務などが見つかれば損害賠償の対象となる危険性もあります。

M&Aの情報が漏れてしまうリスク

M&Aでは情報漏洩がきっかけで上手くいかなくなるケースも存在します。

情報漏洩の原因は主に売り手側です。

「経営者仲間にポロッと相談した結果、噂が一気に広まってしまった」「コンサルタントに相談したが秘密保持契約を締結していなかった」などには注意してください。

例えばM&A初期段階で取引先・業界内に漏れてしまえば、取引量が減ることもあります。

金融機関に知られてしまった場合は資金調達のハードルが高くなるでしょう。

秘密を貫けなければ買い手との信頼関係が崩れ、会社の価値が下がり、M&Aは成立しなくなります。

買い手のリスク

買収金額を回収できないリスク

企業の価値を大きく上回る価格で買収してしまえば、投資金額を回収できないリスクが考えられます。

また、M&A後、思った以上に利益が出ない場合も回収不能となってしまいます。

買収金額が負担となり、自社の経営が困難に陥るかもしれません。

簿外債務が見つかるリスク

M&Aを成立させてから「簿外債務」に気付く恐れがあります。

簿外債務とは、帳簿や決算書類に記載されていない債務を指します。

  • 未払い残業代
  • 退職金(退職金給付引当金)
  • 賞与(賞与引当金)

のちのち支払いを請求されるものも存在するため、注意が必要です。

優秀な人材が流出するリスク

M&Aを行ったあとも気は抜けません。

事業を統合すると、企業文化の違いから従業員に不満が溜まりやすくなります。

  • 勤務地が変わった
  • 給与が下がった
  • 役職が外れた
  • 年功序列についていけない
  • 急な経営方針の変更になじめない
  • 業務フローがまったく違う

環境を整えなければ、優秀な人材が離職するリスクが高まってしまいます。

M&Aの注意点

リスクに対処しないままM&Aを実施すると、将来トラブルに発展してしまいます。

売り手・買い手、それぞれが注意しておきたい点をまとめました。

売り手の注意点

M&Aでは信頼関係を築くことが重要なため、誠実な対応が求められます。

磨き上げを行う

会社の価値が上手く伝わらなければ、買い手候補はなかなか現れません。

そこで重要なのが「磨き上げ」です。

磨き上げとは、売却前に企業価値を高める取り組みを指します。

あらかじめ会社の情報を整理し、強み・弱みを見つけることで候補者探しがスムーズになります。

M&A仲介会社などM&Aに関する知識を持つ外部の専門家に磨き上げを依頼しましょう。

財務状況をクリアにする

売り手は「できるだけ高額で売却したい」と考えるのは自然です。

だからと言って不利な情報を隠蔽するのはNGです。

万が一、M&A成立後に簿外債務があると分かった場合、損害賠償を起こされるかもしれません。

交渉やデューデリジェンスのタイミングで、財務状況を正確に伝えることが重要です。

秘密保持契約を締結する

M&Aを進める上で、自社製品の技術・ノウハウを開示する必要があります。

事前に情報が漏れてしまうとM&A自体が不成立となり、その後の経営にも影響が出てしまいます。

必ず秘密保持契約(NDA)を締結し、お互いに情報の取り扱いに注意しましょう。

買い手の注意点

買い手は高額を投資するため「見合った効果が出るかどうか」を重要視してください。

適正価格で買収する

「買収価格」はM&Aの成功を左右する要素のひとつです。

明確な相場がないからこそ高く買いすぎてしまい、自社の経営を圧迫するケースもよく見かけます。

M&Aでは一般的に、次の3つの方法で評価を行います。

  • インカムアプローチ:期待できる利益をもとに算出
  • コストアプローチ:純資産価格をもとに算出
  • マーケットアプローチ:同業他社の事例をもとに算出

いずれの方法も専門知識や複雑な計算が必要なため、税理士・公認会計士・ファイナンシャルアドバイザーなど専門家に頼りましょう。

専門家の意見を参考にし、適正な価格で買収できるよう進めていきましょう。

デューデリジェンスを省かない

「デューデリジェンス」では、財務・法務・税務などの面から譲渡対象企業の情報を確かめます。

デューデリジェンスは弁護士や公認会計士・税理士などに依頼するため、費用が高額になります。

「費用を抑えたい」「時間がかかるなら省いていいか」と考える方もいるでしょう。

しかし、デューデリジェンスの費用を過剰に抑えようとすると、調査期間が足らず、企業の実態を把握できません。

事前に専門家に相談し、自社のケースでのデューデリジェンス適正価格を確認しておくとベターです。

統合プロセス(PMI)を慎重に進める

M&Aによる統合プロセスを「PMI(Post Merger Integration)」と呼びます。

買い手企業と売り手企業は経営戦略や利用システム・社風などさまざまな点で異なるため、慎重に統合していかなければいけません。

社員の不安が募ればモチベーションも下がり、売上に影響するかもしれません。

PMIをおろそかにしていれば、キーパーソンの退職や顧客離れを引き起こします。

M&Aを最終決定する前に、PMI専門家への相談・依頼をおすすめします。

まとめ

今回は売り手・買い手それぞれの立場から、M&Aの注意点やリスクを徹底解説しました。

M&Aには財務リスク・経営リスク・人材リスクが含まれ、売り手・買い手ともに入念な準備が必要です。

売り手側の注意点は以下の通りです。

  • 磨き上げを行う
  • 財務状況をクリアにする
  • 秘密保持契約を締結する

買い手側の注意点は以下の通りです。

  • 適正価格で買収する
  • デューデリジェンスを省かない
  • 統合プロセス(PMI)を慎重に進める

双方にとって良いM&Aとなるよう、細心の注意を持って進めましょう。

自社内で完結するとリスクを高めてしまいますので、M&A専門家へ積極的に相談するようにしてください。

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